民間企業のメンタルヘルス

私は何年か小売業で大手スーパーに勤めていました。
今では店舗数で日本最大となった会社ですが、メンタルヘルスという言葉はその会社にはありませんでした。

…いや、会社にはあったかもしれませんが、田舎の小型店には無かった、と言った方が正しいかな?

某エステサロンの労働基準法無視が話題になりましたが、小売業も労基ギリギリで働きます。
そして小売業は業種別給与で最下位。
夜中まで働かないと、それなりの月収がもらえないというシステムなのです。

立場が上がれば上がるほど、売上に対するノルマも厳しくなります。
まず月の売上予算が決められて、そこから日割り計算し、この日はいくら売る、と決めていきます。

もう、明らかに予算に対して80%程度しか売上が取れてない時はまだ諦めが付きますが、翌日出勤して前日の売上があと2,000円足りない、とかは最悪です。
「なぜその2,000円が売り上げられなかったのか?」
店長から厳しいチェックが入ります。

ひと月の中で、1日単位で予算を管理し、大幅に乖離するようなら早いうちに手を打つ。
店長の人柄にもよりますが、「売上予算達成」できない社員に対して、強く当たる店長もいます。

そうすると、売り場長である社員は自信を無くして行き、心が疲れて鬱、最悪は休職という流れに。

下園さんは、うつになるまでの心の疲れに段階があるということを、『心の疲れをとる技術』で詳しく書いています。



管理職にはぜひ読んでもらいたい

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